人気ブログランキング | 話題のタグを見る

大学生による自民党新憲法草案論評

 今日は、以前連続して書いていた、自民党の新憲法草案についての考察のまとめとして、政治学の期末レポートで書いた草案についての論評レポートを掲載したいと思います。一応みなさんの前に出せるぐらいの内容にはなっていると思います(汗)。いつものようにみなさんの多様な、そして批判的なコメント・意見をお待ちしています。一応『世界』1月号掲載の愛敬浩二論文に触れることがルールだったので、引用はそのためです。
草案に反対にしろ、賛成にしろ、このレポートがみなさんの考える材料になればなによりです!!


 今回の自民党新憲法草案(以下、草案と呼ぶ)を論評するにあたり、2000字程度という限られた字数のため、いくつかの問題点に焦点をあてて、考察していこうと思う。
 まずは愛敬浩二の論文の中で、興味を引いた文章の引用から始めることにする。

「九条を改定して『正真正銘の軍隊』を海外派兵することを可能にしておきながら、A級戦犯が合祀されている靖国神社への公式参拝を可能にするための改憲も同時に行うというのでは、韓国・中国の政府・国民を刺戟しないはずがない。国民一人ひとりの『安全・安心』の確保こそ、国家の最も基本的な役割と考えるのであれば、近隣諸国との間で信頼関係を醸成する契機を根こそぎ奪う改憲案は、あまりにも無責任というべきである。」(「世界」1月号・「自民党『新憲法草案』どこが問題か」・愛敬浩二・p39)

と著者は述べている。今回の改憲問題で最も大きく取り上げられている憲法九条は、現憲法第ニ章の「戦争の放棄」を、「安全保障」と改定し、「自衛軍」を明記し、イラク戦争時のような海外派兵を憲法に触れることなく容易に行うことが可能となっている。また前文からは「平和的生存権」の部分が根こそぎなくなっている。このような改定全体を見たときに、本当にこの改定が「安全・安心」ということが果たしていえるだろうか。

 まず自衛隊を軍隊にした場合、自衛隊派遣の段階で、イラクでジャーナリスト拘束や日本人旅行者の殺害という事件で、すでに兆候があらわれているように、イラク戦争のような海外派兵を続けることで、逆にテロ等の危険が増えることは容易に考えられる。自衛のためと称する力を持つことが、安易に平和につながると考えるのは避けるべきである。

 そして、靖国参拝専用の変更である、草案の第二十条の三項の変更では、「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超える宗教教育その他いかなる宗教活動」をしてはならないとある。社会的儀礼又は習俗的行為の範囲の中には、もちろん靖国参拝も入っている。わかりやすくいえば、首相が靖国神社に公式参拝することを合憲とするための改定である。この点は論文中、「『公式参拝』を合憲とするものであるならば、国民に改憲の是非を問う以上、そのことを明確にすべきである」(p38?39)と指摘されている。このように明らかに公式参拝を意識した変更であるにも関わらず、靖国参拝論議を避け、それを隠した文章によって参拝を合憲化しようなどという考えでは、近隣諸国との共生は不可能といえるだろう。

 このように考えたとき、この改憲案が「安全・安心」への「現実路線」とは言い難い。確かに平和は望んでいるだけでは不十分であるが、平和への理想がないと、平和を維持することはできない。そもそも理想と現実は相反するものではない。しっかりとした理想を持つがゆえに、人は現実的になるのである。真に平和を望むなら、安易に理想を捨てるべきではない。

 次に、改憲問題全体を考えるうえで、とても重要だと思う点について述べたいと思う。それは憲法最後の条項である、憲法第九十九条(憲法尊重擁護義務)という部分である。

「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」

と定めている。これは近代憲法の基本原理をはっきりと感じさせる条文である。つまり、憲法というものは、国民が国家権力・政治権力に対して、それらが行う行動を制限する命令であるということを裏付ける条文なのである。どうも憲法というものは国から市民に対しての命令だと勘違いしている人が多いようだが、条文を見ればわかるように、国民という文字は一切出てこない。憲法を尊重し擁護しなくてはいけない義務があるのは、国民ではなく国・政府のほうなのである。しかし、今回の草案は第十二条の「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、常に公益及び公の秩序に反しないように…」という変更にもあるように、憲法の原則を無視し、あたかも国家から市民に対しての命令とするような傾向を持つ変更が目立つ。これは近代憲法の原理そのものを揺るがす問題である。

 ここで取り上げられなかった問題点、そして今後憲法を考えていく上で、「国民による、国家に対する命令としての憲法」という原理をしっかりと理解しておかなければならないだろう。しかし、憲法が国家権力を縛り、制約するものという性質を持つ以上、国民が国政に対してしっかりと命令できるようになる必要がある。そういった意味で、政治学の講義でも話されていたように(市民リテラシー)、この改憲問題を機に、国民一人ひとりが、憲法の専門家になるべきであり、憲法というものをしっかりと学ぶ機会・社会のあり方を作っていくべきである。これは、自民・民主という二大政党が共に改憲に意欲をみせている、この危うい状況下において、それほど現実味のない話ではないだろう。

 最後に、私は改憲という行為そのものには反対しない。それは現憲法に問題が全くないわけではないからである。それは現憲法が公権力などに、都合良く解釈されている現状からもそれは明らかだ。しかし、今回の草案が上記のような荒唐無稽な内容である以上、私は賛成するわけにはいかない。
# by furu-ku-buratto | 2006-05-18 22:57 | 社会

☆祝1000Hit☆&★ブログのお引っ越し★

 え〜と、祝ってください(笑)いや〜やっと1000Hitですか〜。遅っ!!と思われる方が多いかもしれませんね(汗)ただまぁここまでよく続いてるものですね(笑)
 さて、この1000Hitを記念して…、引っ越します(笑)なぜかというと、もっといろんなことが出来るほうがいいかなぁと漠然と思っていたところ、データをそのまま引き継げる方法が見つかったので、『FC2ブログ』というブログに移転させていただきました。つきましては、リンクを張っていただいている方は、お手数ですが、新しいブログにリンクを張り直してくださいますようお願いします!ブログの引っ越ししたい方、新しくブログを始めたい方はブログのお引っ越しでどうぞ!!
 いままでありがとう!そしてさようならエキサイトブログ(涙)
新しいブログはこちら→シュトゥルム・ウント・ドラング

                 シュトゥルム・ウント・ドラング
# by furu-ku-buratto | 2006-01-29 20:48 | 大学生の日常

これからのメディアの可能的様態−めざせ!きっこの日記!!−

 今日のシンポジウムと関連して、これからのメディアのあり方に関連して、私が最近知ったブログなのですが、きっこの日記(http://www3.diary.ne.jp/user/338790/)というものがありまして、これがすごいのなんのって、なんでこんなに情報持ってんですか!?てなぐらいすごいです。耐震偽造問題の証人喚問の時、民主党の馬淵議員がこのブログを参照したらしいですね。アクセス数も真鍋さんを超えてるみたいだし、とにかく行ってみたらすごさがわかるので、ぜひ行ってみてください!文体が堅苦しくないところもいいですよね〜。
 これからは私が実際かじっているブログやポッドッキャストといったパーソナルなメディアの取り組みがこれからどんどん進んでいくと思うので、そういった新しいメディアがどういった方向へ行くのかというところもしっかり考えて行きたいですね。う〜む、どうなるのか…。

・ひとりごとナリヨ
 いや〜さすがに4時間30分は疲れましたよ(汗)終わってから近くのツタヤで、ブログとかHTMLの本を見てふむふむうなってました(笑)ブログをもちっとグレード上げたいところだね〜。で、その後ツタヤとくっついているモスバーガー(2,3年ぶりかな?)で、バーベキューフォカッチャとポテトをお持ち帰りすることに、待ってる間に店内を見回すと、土曜日ということでカップルが大勢でした(苦笑)帰り道トボトボ…
 ここ1週間ぐらい、研究室を2人行って、朗読会行って、シンポジウム行ってと、私にしてはかなりアクティブな日々だったので、明日は昼まで寝そうです(笑)ただ、起きたらテスト勉強とレポートが待ってる(汗)
# by furu-ku-buratto | 2006-01-28 22:24 | 社会

メディアの危機とメキキネットの展開

 今日は以前ブログで紹介していた、『 メキキネット 1.28京都シンポジウム−番組はなぜ改ざんされたか 〜NHK・ETV番組改ざん5周年&メキキネット出版記念〜』に行ってきました。
 2時30分から7時までという長丁場、初めて同志社大学に行ってきました。シンポジウムが行われる部屋に入って、1番最初に思ったことは…、狭っ!ということ(笑)本当にこんなんで全員入るのかな?と思ってたら、それでもかなりすいていました(涙)しかも、お年を召した方が大多数を占めていました。若い人がいないってのもけっこう問題ですよね〜。それに大学でやってるってのに同志社の学生はどうした!!(苦笑)
 内容としては、NHKの番組改ざん問題の経過、背景などを含めた、番組内容徹底検証が第1部で、ここは以前大学のゲストで話していた内容とほぼ同じでしたが、より詳細に検証されていました。問題の番組改ざんについてですが、おそらく実際に見ていない人がほとんどだと思いますから、映像は見せられませんが、メキキネットのHPにて、「改変」過程の詳細が載っているので、ぜひ行ってくださいな。
 今日のシンポジウムで、改めて、組織と右の恐ろしさを実感させられましたね。またNHKと政治家のかなり一心同体な関係であることも。そしてもちろん現在のマスメディアがご臨終メディアだということを…。
 第1部がかなり長くなったので、第2部は少し短くなりましたが、第2部は、『番組はなぜ改ざんされたか』の筆者を中心にパネル・ディスカッションでした。実際にNHKから、問題の番組の下請けをしていた会社で働いていた坂上香さん、女性国際戦犯法廷の主催者の一つである「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク (VAWW-NETジャパン)の西野さん、アジアプレス・インターナショナルの野中さんなどが短い時間でしたが、それぞれのこれまでと見解を話されていました。
 う〜む、私は一応メディアの勉強をしているので、やはり話しを聴いていろいろと思うところもありましたね〜。個人的意見としては、公共放送としての役割をNHKという組織に求めるのは厳しい気がしますね。そうすると、これからのメディアというもののあり方についていろいろ考えなければいけないんですよね。
 
# by furu-ku-buratto | 2006-01-28 22:22 | 大学生の日常

さよなら人文学科〜!!−谷川俊太郎 朗読会−

 というわけで、後期、そして一回生最後となる授業(テストはまだある…)が無事終わりました。ほっと一息ついて、学食で豚ひき肉ニラ玉丼をもぐもぐ食べて、情報館で見かけだった『フォレスト・ガンプ』をダラ〜ッと見て、そろそろ2時30分…。まぁ20分前に講演の部屋に行けば、そこそこの場所がとれるかと思いきや、いざ入ってみると、もう席の半分以上埋まってました…。恐るべし谷川俊太郎の人気!最終的には立ち見も出てました。
 内容としては、まず谷川さんの新作の詩の朗読、「まり」「はこ」「いす」「いす」などなど。そして精華の教員(ピアノ)と人文学科の学生(サンシン、胡弓)、そして詩で賞をとったという二回生の学生が行った即興詩「サバイブ」。次にピアノと胡弓+谷川さんの詩というコラボ。続いて、その4人全員の即興詩だったんですが、まさかの放送禁止用語がタイトルの即興詩でした(笑)タイトルは「なんでも○◯○◯〜」という名前でした。(「〜」は聴こえなかったところ)私のブログには決して載せられない単語なので勘弁してください(涙)彼ら曰く、高級な下劣!という感じだそうです。ただ笑いをこらえるのが大変でした(笑)そして最後に谷川さんと片桐さんの対談という形でしたが、対談ははっきりいって何話してるの今ひとつわかりませんでした(汗)なんかあやしげな本の話しとかもしてたなぁ。ベーシックイングリッシュとか普通の人はわからないんだから、レジュメとかで配ってほしかった。
 では、私の感想をば!う〜む、全体としてはおもしろかったですが、はっきりいって詩にめっちゃ感動したとか、ファンになったということはなかったです。今回の詩が合わなかったのかもしれませんが、今回はそんな感じでした。しかし、谷川さんの詩に限らず、あまり詩に興味がないのはなぜだろうと考えてみたところ、私の思考が論理的な方へ傾いているからなのかな?と漠然と思いました。まぁ文章からしてお固いですしね(汗)漢字も多いし(笑)。それにわざわざ詩にしなくても世界はすごく驚きに満ちているし、いろいろ感じられるので、いうなれば、他人が翻訳した抽象的な世界をもう一回聴くのがもどかしいのかもしれませんね。ただ歴史の名言みたいなのは好きなんですが、それは、より現実的で論理的な言葉だからでしょうかね。
 といいつつも、誕生日に詩みたいなやつブログに載せたりするし、今日の最後の詩はなかなかいいなぁとか思ったり、ブルーハーツの歌詞は大好きだし、まぁ好き嫌いなんていうものは往々にして変わりやすいものですからね。今はっきりいえることは、今日は聴きにいって良かったということですね!結局これに帰着しましたか…(笑)

 そしてさりげなく記事数100件目!ばんざ〜い!!(笑)
# by furu-ku-buratto | 2006-01-27 20:57 | 大学生の日常