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サブカルスタディーズ[サブカルチャーのカルチュラルスタディーズ]

 え〜と今日のタイトルは、ゼミの友人が発表の際に使用したレジュメのタイトルを堂々と引用していますが、まぁそんなことで怒る人じゃないので、気にせず借りました。
 本題に入りますが、今日の朝日新聞を読んでいると、「フランスの暴動はラップが原因?」みたいな見出しが書いてあって、内容はラップが今回の暴動を起こし?、悪化させたから、厳しくラップを取り締まるべきだ!というような意見が議会で出ていて、実際に7つのラップグループに対する訴訟を起こす書類に上院・下院の議員が相当数署名して議会に提出されているようです。ラップの歌詞に「ただ燃えているのを見ているつもりかい?」(たぶん少し間違ってる)というような過激な内容が使われているとか、白人や女性蔑視の内容だとか、一言でいえばとにかくラップは仏暴動に悪影響をもたらしたという意見がフランスで出ているわけです。
 これはどういうことなのでしょう?ラップはすでに既存の文化に対するカウンターカルチャーという派生ではないのか?ラップが流行るという根底には今の社会に対する「抵抗」があるということを意味しているのではないか。その根底にある問題、つまり今回でいうならば、「移民問題」の中で生まれた「抵抗」としてラップの流行があるわけですから、今回の暴動の原因がラップだという安直な発想が、こともあろうにフランスの議員たちの間で生まれることにビックリしました。
 日本でいうならば、残虐ゲームをしていたせいで、殺人を犯したとか、バトルロワイヤルを読んでいたから傷害事件を犯したという発想と同じです。このような安易な発想はなぜかよく起きるみたいで、映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」で、うまくこの問題が描かれてます。アメリカのコロンバイン校での銃乱射事件の後、多くの学者たちが原因にあげたものが、バンド「マリリン・マンソン」(まぁ結構やばいバンドですが(笑))を聴いていたからというものでした。しかし、その前にアメリカの銃社会という問題を提議することは学者はなぜかしない。あの映画のタイトルの「ボウリング」っていうのは、もちろん普通のボウリングのことで、「マリリン・マンソン」を原因にあげるなら、なぜ少年たちが犯行30分前ぐらいにしていた「ボウリング」は原因としてあげられないのか?というマイケル・ムーアの皮肉が入ったタイトルなわけです。
 ラップや「マリリン・マンソン」に悪影響がないとはいいません、しかし、なぜそういったサブカルチャーがそれらの社会的小集団に受容されているのかという問題を社会的・歴史的背景、彼らのアイデンティティなどというものから考えていかなければ、根底の問題は置き去りのままである。このような考察がなされなければ、たとえラップが禁止されたとしても今後も暴動が起きる危険性は十分にあるだろう。
 ちなみに今回は現在大学で勉強している内容とリンクしていたため考察してみたしだいです。
by furu-ku-buratto | 2005-12-01 20:45 | 社会


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