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ブログのお引越し!!


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# by furu-ku-buratto | 2006-05-18 23:16

最新(深)のイラクの報告会レポート-4-ラストレポート

 さてもさても、今日はアジアプレス最新現地(北朝鮮・イラク)報告会レポート第3回目です。2時間ばかりの報告会をどれだけ時間かけてレポートしてんだ!という話ですね…(汗)。今日は坂元卓さんによる武装勢力と呼ばれる人たちについての報告です。

 この武装勢力の台頭はアメリカは予想していなくて、その結果として

「最初の半年間の政策を失敗した」

というコメントが出たりするわけです。最初の半年間の間に、他国からの反米の義勇兵がどんどんイラクに入ってきたんですね。

 こういった武装勢力の動きを政府も黙っているわけではなく、今イラクでは夕方になると意見広告というかCM(政府・NGOが作成)がかなり流れるようで、例えば、選挙の映像が流れて、その列に男が突っ込んでいって、自爆してしまう。その後でテロップで、

「信仰のためとはいえ、こんなことが許されるのだろうか?」

というような文字が映し出され、自爆攻撃をなんとか抑制しようという内容のCMや、ある人が人を銃で撃つと、実はそれは自分の兄だったというようなCM。またよそものの犬がやってきて、肉をあさっている。そして、

「彼ら(他国から来た武装勢力)の居場所はない」

というようなテロップで、イラクのことはよそものの好きにさせてはいけない。つまりイラク人のためのイラクを作っていこうという、シーア派とスンニ派の対立を緩和させるためのCMなども流れているようである。しかし、こういったCMには米軍による犠牲はなぜか反映されていないとのこと。

 一方の武装勢力もメディア戦略を行っていて、以前は米軍へ迫撃砲を打ち込むような戦果を誇るような内容だったが、最近はこうやったら爆弾が作れるというような「How to」ものに変化してきているようである。またこのような爆弾での被害も多く、最近では遠隔操作が可能になり、そのスイッチが携帯などのに組み込まれるなど巧妙化しているとのこと。

 また「バクダッドの獅子」と呼ばれる武装勢力へのインタビュー映像や斉藤昭彦の事件の「アンサル・スンナ」(間違っているかも)軍で、現在刑務所にいる人の話などもあった。その中である人は、金になる仕事があると言われて、この袋をどこそこに置いてくるだけだ。と言われ、やった後で、それが爆弾だったと分かったというような話もあった。その人はそれ以降も仕事を続け、かなり位は上になっていたようである。

 テロとの戦いとの名目がいまだアメリカでは掲げられているが、そのテロとの戦いとやらが、イラクに本当のテロをもたらしているとは、なんともやりきれない。

 その米軍であるが、最近は出動が減り、代わりに訓練されたイラク軍が動くようになっているという。その訓練は米軍や韓国などが担当している。軍での仕事は月370ドルで、確か学校の先生が200ドル?ぐらいと言っていたので、かなり高い収入なようです。武装勢力にしろ、軍にしろ、どちらも仕事がないから仕方なく入っているケースも多いようだ。明確な意思の対立がないにも関わらず、ただ就いた仕事が違うがゆえに、下手すれば死をも生み出すことになるとは…。

 ただ驚いたのは、自爆犯の多くがシリア等の他国の義勇兵だということである。また本人は知らないまま自爆させられるケースもあるという。ある人はトラックの荷物を頼まれて運転していたら、実はそれが爆弾で自爆させられてしまったり、ある人は薬を飲まされて自爆させられたりするという。

 また市民の意見として、米軍の即時撤退というのは無責任だという意見が多数を占めるという。これはこれまで述べてきたイラクの現状では今撤退させられるとイラクがめちゃくちゃになってしまうからである。またブッシュ政権は、終始「イラクの治安組織が整備されたら撤退する」という見解を示しているが、「イラク人が望んだら出て行く」とは一度も言っていないそうだ。


 日本でも、本当にたまに自衛隊の撤退についてテレビで取り上げたりするが、結局ほとんどが日本にとってどうこうという日本のメリット中心の考え方が多い。私はイラクの自衛隊派遣には反対だが、もう派遣してしまったことには変わりはないのだから、これからイラクにどう関わっていくのが一番双方のために良いのかということを議論する必要があるだろう。自衛隊の撤退はおおいに結構だが、それで「はい、イラク戦争終わり!」となってしまっては、まったく無責任である。まぁ自衛隊はイラクに行ってもお金を無駄に使うだけなので、さっさと戻ってきてほしいけど…。



 「自由はもたらされたが、幸せではない」



 「いつまでイラク戦争が続くのかわからない」



 「どうしたらいいのかわからない」



 これはイラクの人たちが抱いている思いだ…。その思いとは裏腹に、日本でのイラクという存在、イラク戦争という出来事はどんどん薄れていっている。アジアプレスの人がイラクについての企画を大手メディアに出しても、いったい何を受け手に送るべきか判断できない「視聴率原理主義者」たちは「視聴率が取れない」といって、それを却下する。しかし、いざ斉藤さんが拘束されたとなると、ハイエナのように映像やリポートに群がったのである(ハイエナに失礼ですね…)。それすら長くは続かなかったそうだ…。

 私がイラク戦争に興味・関心があるのは、イラク戦争が持つ矛盾や悲惨さだけではない。イラク戦争というフィルターを介して、イラク戦争を肯定した現代日本が持つ様々な問題が見えてくるように感じるからである。この前「現代社会と歴史認識」という授業で、戦争体験者の体験談の危うさという興味深い話があった。要約すると、

「戦時中苦しい時代を生きていたことは間違いないが、一生懸命生きていた彼らは周りが見えていなかったということも十分考えられる」

というような話があった。(ちなみにこの話の前提として教授の聞き取り調査での出来事があるのだが、今回は省かせてもらいます。)つまり、現実を生きていても、現実を見ているとは限らないという意味である。そして、これは何もそういった聞き取りが無意味という意味ではなく、体験談をそのまま信じることには危うい点があるということである。

 さて、自虐史観という言葉がある。しかし、今回はこの言葉に主として該当する戦争についてアレコレ言うつもりは毛頭ない。私は今後イラク戦争がどういった動きになるかまったくわからないが、時はどうしても経っていくだろう、いろんな悲しみを生みながら、そうして時が経って、誰かが言う。

「日本はアメリカの荒唐無稽な理由で開戦したイラク戦争を支持し、結果イラクではたくさんの市民が死を迎えた。日本はイラク戦争において加害国の一員だった。」

 それを聞いたある人はこう言うかもしれない。

「それは自虐史観だ。」

と。

「日本は自衛隊をイラクに派遣して、人道復興支援を行った。」

のだと。

こういった話にならないと誰が保証できるだろう。現実を生きていながら、イラク戦争をシカトし続けるマスメディアと日本人にだけは、「自虐史観」。。。このセリフだけは使ってほしくない。イラク戦争では、いったい何が、誰が「かれら」を殺したのか?そんなことを考えもしない、見もしない人たちが果たしてイラク戦争を語ることが出来るのだろうか。

 とにかく、私は見続けよう落ちてきた視力で、考え続けよう足りない頭で、イラク戦争はいろんな意味で複雑過ぎるのだから…。今日もやたらと長くなってしまいましたね。文章としてもまるでまとまっていませんし。最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。ご苦労様でした。
# by furu-ku-buratto | 2006-05-18 23:13 | 社会

最新(深)のイラクの報告会レポート-3-

 さて、今日はアジアプレス最新現地(北朝鮮・イラク)報告会レポート第3回目です。ビデオキャスティングが出来ればみなさんに映像等を見せることが出来るんでしょうけど…う~ん。そんなこともふと考えつつ今日もレポートしていきます。

 今日はバクダッドの現地スタッフのモハマドさんへの生電話インタビューの一部始終です。ほんの少しでしたけど、現地の人の声が聞けました。その間、坂本さんや玉本さんが英語やアラビア語?かクルド語?を使い分けて話していて、それを見て、こういうときにも外国語が出来ないとまずいな…と自分の英語力のなさを悔しく思いました。

Q.バクダッドの状況は?

A.非常に生活が困難で、それは殺人や拉致・誘拐が多発しているからで、しかもそれは武装勢力がするのではなく、イラクの治安部隊・警察が武装勢力との関係を疑い一般市民を拉致していく。さらに深夜に逮捕礼状もなしに逮捕・拘束していってしまう。このような行動に一般市民は強い憤りを感じていて、この治安部隊・警察への怒りが政府への怒りにつながり、市民は政府をあまり信頼していない。

Q.一番怖いことは?

A.昼日中にいきなり拉致されること。


 あまり時間がなかったので、このぐらいしか問答することができなかったのだが、それでも市民を守るはずの治安部隊・警察の活動が市民の不信感を招いているとは、なんとも驚く話である。しかし、共謀罪や教育基本法改正などの動きを見ていると、日本も行き過ぎた公権力の行使というものの存在がひたひた迫ってきているように感じるのは私だけだろうか…。

 この後坂本さんたちへの質問があって、

Q.物価・経済状況はどうなっているのか?

A.戦争が終わって以降物価は上昇し続けています。燃料(ガソリン・灯油)は特に値上がりが激しく、ガソリンは1リットル7円だったのが→今は20円になっている。日本から見れば、それでも安いように感じるが、かなり値上がりしている。またりんごも1キロ100円だったのが、以前の2倍になっている。(ただイラクには昔から配給の制度?があり、燃料もある程度はチケットでまかない、それ以上は自費で買うようである。)

 今イラクでは仕事がない→しかし、物価は上がる一方なので物が買えない→職といえば治安部隊・警察しかないという、上記に書いたこととも関連する良くないサイクルが成立し始めているようである。

 以前の記事に関するコメントで、

「イラクは豊かなんです。こういう厳戒態勢でも食料や燃料などはあるので、よけいに市民は避難しにくい皮肉な現実があります。」

という筒井さんのコメントがあり、以前のアルビルのような場所に親戚などがいなくて、容易に避難しにくい人にとっては、バクダッドにいることが、たとえ様々な危険があったとしても、「生きるため」にはそうするしかない。究極的な選択の狭間に突き落とされてしまっているように感じる。そんな中で避難される方が急増しているということは、私達の想像を遥かに超えた状況にあるのでしょう…。
# by furu-ku-buratto | 2006-05-18 23:12 | 社会

最新(深)のイラクの報告会レポート-2-

 さて、今日はアジアプレス最新現地(北朝鮮・イラク)報告会レポート第2回目です。それではさっそくいきましょう!その前に本編の続きを書く前に、昨日の補足です。昨日のイラクの病院の話をしましたが、その映像を撮ったのは綿井さん本人ではなく、現地で協力してくれているイラクの方に頼んで撮ったものでした。それだけバクダッド市内の治安が悪化しているということの表れです…。

 昨日に続いて今日は玉本英子さんによるクルド自治区であるアルビルを中心とした、非戦闘地域のイラクの女性、子どもの現状、イラクのヒロシマと呼ばれるハラブジャについてです。玉本さんはやはり自身で映像が撮りたいとのことで、イラク北部のクルド自治区であるアルビルを中心に活動されています。

 まず国内避難民が多く通うジャワヒリ小学校(正確な場所は聞き逃しました)の映像があり、3年生のクラスでは、約四分の一がバクダッドから避難してきた子どもで、それほど避難が急増していることを実感しました。

 ジャワヒリ小学校に通うヘミン君という少年に少し深く追っていて、彼のお父さんは11月に「米軍に協力した」という疑いで、武装勢力に殺されてしまったそうです。いきなり父親がなくなったので、ヘミン君はモスクの壁に人探しのビラを何枚も貼ったそうです。しかし、彼のお父さんは後日息を引き取った状態で路上に放置されていたのです。ここでのヘミン君、そしてお母さんの話していたことが印象的でした。

「フセイン政権では幸せだったのに、今は壊れてしまった。」

 今この言葉をアメリカ、イギリス、日本、韓国、その他イラク戦争を支持した国の人たちが聞いたら、なんと思うのでしょうか。これがアメリカのいう世界に広げなくてはならない自由と民主主義なのか…。どれほど安易にイラクに介入したのかという一端がここに垣間見えます。

 また避難してきた人の家は単にブロックを積んだだけの簡素な住宅が多く、私はパキスタンの地震が頭をよぎりました。もし今この地域に地震が起きたらとんでもないことになる…と。

 次に玉本さんが現場に10分後に到着し、まだ生々しい血の海が乾いたイラクの地に存在していた、警察官の面接の列に対する自爆攻撃の映像が流されました…。リアルなのだけれど、それでもどこかアクチュアリティを欠く私。これがイラクと日本の温度差なのか…。この自爆攻撃ははじめスンニ派?がしたということだったのですが、実際はクルド人の内務省関係の人が起こしたようで、もはや誰が自爆攻撃を起こすのかわからないという状況です。

 玉本さんはこの自爆攻撃で夫と息子を失った女の人をおいました。息子は家計を支えるため警察官の面接に向かったそうです。ただ面接場所の付近がよくわからないかったため、父親が「よし、ついて行ってあげよう」といってついていったところ自爆攻撃があったそうです。二人のお葬式では、彼女は泣き崩れ、姉は自分の胸をたたいたり、髪の毛を引っ張ったりして、周りの親戚と思われる人が必死で止めていました。

 当時は彼女の精神状態が良くなかったので、後日改めてインタビューされて、その時お墓の横で彼女は「寝られないから、夢にも出てきてくれない。」ことやイラクでは習慣になっている即興の歌を二人に捧げていました。またおそらくイスラムの風習だと思いますが、彼女は死ぬまで黒い服を着て過ごすそうです。やはりイラクでは女の人は家で子どもを育てるということが基本なので、夫を亡くすということはとても大きなものを失うことなのです。

 日本にテレビではもはやイラクは黙殺されていますが、たまに新聞で

「イラクで?日未明、テロがあり10名が亡くなりました。」

というような記事がある。しかし、この記事からどれほどの意味を感じられるだろうか、一人の命が失われる背景にいったいどれほどの悲しみの連鎖、つながりがあるのだろうか、人は決して一人で生きているわけではない。世界はとかく命とそのつながりに疎くなってはいないだろうか…。

 最後にイラクのヒロシマと呼ばれるハラブジャについての話でした。ハラブジャは1988年?標的のクルド人がイラン人の協力者と見られて、イラク軍による毒ガス攻撃を受け、約5千人もの人が亡くなったと言われています。記念館のようなものもあり、規則正しく並ぶお墓の横の壁には「この出来事を忘れないようにしよう」というようなことが書き記されていました。さらにイラクの人は日本のヒロシマ・ナガサキを知ってくれている。それなのに今の日本はどうだ、イラクのことを知ろうともしない…。

 またこのハラブジャの悲劇は今回のイラク戦争の湖底を映し出してもいるのである。ここで少し引用します。

・イラク軍事攻撃はありうる

チョムスキー:「ですからアメリカ合衆国がイラクを攻撃することは十分にありえますが、これは国際テロリズムとはまったく無関係です。先日ブッシュ大統領が記者会見で述べたこととも無関係です。いいですか、大統領は、サダム・フセインとは自国の国民に向かってまで化学兵器を向けるような極悪人だ、大量殺戮兵器を開発しているんだといっていました。どれも間違っていない。ただ、ブッシュのスピーチライターが注意し忘れたことがある。サダム・フセインはそれを、現大統領の父親の支援を受けてやった、という事実です。父親のジョージ・ブッシュはフセインを支持していました。イギリス政府もです。ジョージ・ブッシュとイギリス政府はフセインが最も残虐な行為をしている最中も、その後も、熱心に彼を応援し、大量殺戮兵器を作り出す技術を与え続けた。彼が非常に危険な存在になったときも、いまのフセインよりはるかに危険であったときも。アメリカもイギリスも、フセインの犯罪を気に留めなかったのです。

辺見:「そうですね。サダム・フセインがクルド人に対して毒ガスによる虐殺などの残虐なテロを行っていたときに、米国は強力に支持していましたしね。」
(「メディア・コントロール」ノーム・チョムスキー/集英社新書/2003.11.9第4版発行/p137~138)

・この対談は2002年3月15日、米国マサチューセッツ州ケンブリッジのマサチューセッツ工科大学にて、もちろんイラク戦争開戦前に行われたものであり、「・イラク軍事攻撃はありうる」というサブタイトルは、後のイラク戦争を切なくも、そして見事に予見した言葉であったといえよう。

 どれだけ「われわれ」はご都合主義なのだろうか。痛みを、そして悲しみを死ぬほど背負うのはいつもいつもいつも「かれら」である。いったいイラク戦争を支持している人は、開戦時に自衛隊を派遣することに賛成した人は何を見ていたのか、何を信じていたのか…。その結果が招いた今のイラクの現状を、恐ろしいことに「われわれ」はまた見ないし、信じていないのではないだろうか…。

 このブログを見て、一人でも何かが見える人が増えてくれれば、それだけで嬉しい…。
# by furu-ku-buratto | 2006-05-18 23:11 | 社会

最新(深)のイラクの報告会レポート-1-

さて、昨日アジアプレス最新現地(北朝鮮・イラク)報告会を聴きに大阪まで行ってきました!ファシズムについての授業を泣く泣く抜けて、次の授業もサボって、大学から直で行ってきましたよ…(涙)。しかし、やはりサボって行ったかいがありましたね。それでは以下から報告会のレポートを何回かに分けて書いていくことにします。ただ私の書いたメモを元に書いているため、足りないところが多々あると思いますが、その辺はご了承くだされ。

 まずイントロデュースでは、協賛しているデイズジャパンの紹介やアジアプレスの動き等の説明が入り、最近のイラクでの取材の困難さや危険についての説明がありました。

 治安はかなり悪化しており、特に外国人と関わっているイラク人、そしてその家族が「米軍の手助けをしている」等の疑いで武装勢力に殺されたり、誘拐されるケースが増えているという話がありました。
 
 そして現地で動くためのジャーナリストの準備についても少しあり、ハンディカメラや衛星電話・衛星モデムといった、昨今の少人数による取材を可能にしている機器。また防弾チョッキや、場合によっては民間の警備会社に依頼して警護・護衛を雇うこともあるようです。ただこの警護を頼むということは自らが武装した側になってしまうというジレンマがあると話されていました。

 続いて本編ですが、まず時間の関係上30分後には関空から東京に戻らなくてはいけなかった綿井さんによるバクダッドの最新情報からでした。(綿井さんは当ブログでも紹介していたように、3月から4月にかけて再度バクダッドに現地入りされていました。)

 綿井さんの話によると、主権移譲から治安の悪化が激しくなったようで、以前綿井さん自身が新潟の上映会の折に受けた。

「イラクでは誰と誰が戦っているんですか?」

という問いを再度話され、

『テレビではシーア派とスンニ派による内戦状態と簡単に言っていますが、実際は以前にも増して図式が複雑化している』

と、話を聞いていくほどにイラク情勢の複雑さが増していくようでした。

 最新の映像に沿って話は続き、空港から市内までの道が一番危険で、何かあるとすればここで起こるのだという。以前は30分で市内についてのに、今は何箇所も検問があり、またカラシニコフ銃を持った所属不明の警備の人がいたりと、かなり異常な光景でした。さらにバクダッドが要塞化というか、コンクリ壁や鉄条網などが増えているようです。

 また治安の悪化により、子どもたちの外での遊びが減少し、学校も自爆攻撃の標的になっていて、学校にも必ず警備員がつき、親が迎えにくるようになっているとのこと。さらに宗派間の問題が子どもの間にも広がり、「スンニ派の子とは話さない」と話す子どももいました。なんか子どものころからこういうふうに宗派間を意識してしまうようになると後々かなり良くないだろうけど、つくづく宗教は難しい…。

 次に病院、市内?のヤルムーク総合病院の映像があり、運ばれてくる死体には不自然な死体が多く、手錠をかけられ、目隠しをされ、さらに目をくりぬかれた遺体などもあり、明らかに拷問されたのち路上に捨てられたとわかるものが病院に運ばれてくるようです。またこの病院ではイラク軍が医師や看護婦に暴行を加え、一時抗議の意味で病院を閉鎖したのですが、今回の映像ではまたイラク軍が病院内に入って少しごたごたしていたようでした。こういった影響で医者が国外に行ってしまうことがあるそうです。ここら辺にもイラクの複雑さが現れていますね。

 そして別に小児病院では劣化ウラン弾が原因と思われる白血病の子どもがたくさん入院していました。リトル・バーズなどでも映されていましたが、ずっと続いている問題だということを再認識です。撃つ側の国は知らぬ存ぜぬですからね…自分の家族が白血病になってしまうことを想像することもできないんだろうか。ずっと「われわれ」は大丈夫だと思っているのだろうな。

 このような現状から、イラクでは国内避難民が急増し、シーア派は南部へ、スンニ派は北部へ避難しているようで、地域的な分かれ方も顕著になってきている印象を受けました。

 と、だいたい綿井さんの報告は以上のようなものでした。しかし、現地の映像をここでお見せすることができないのがとても残念です。かなり変な文章の形になっていますので、わかりにくい点・質問などはいつものように受け付けていますので。遠慮なくどうぞ!
# by furu-ku-buratto | 2006-05-18 23:11 | 社会